ピアノを始めたきっかけを振り返って、他の楽器をしていたらどうなっていたのかなとふと思いました。
今色々な楽器の伴奏をする機会をいただけていて、それぞれの楽器を少しでもかじっていたら、もっと呼吸を合わせたりもっとソリストが心地よく演奏できる伴奏ができるのではないかと思うこともあります。
サックス、フルート、クラリネット、やってみたかったなと思うことも✨
でもそうはいっても未だに何一つ挑戦していないのは、ピアノで良かったなと思う部分がたくさんあるから。
今日は他でもないピアノで良かったと思う、私個人が感じているちょっと変な理由をお話していこうかなと思います。
私のような性格の人間には、ピアノでなければいけなかったんです。
「ピアノで良かった」そう思う理由
それぞれの楽器が魅力的な音を持っていて、同じ名前の楽器でも個体差が合って。
ピアノと他の楽器の魅力に優劣をつけることは出来ません。
でも、私はピアノが合っていたなと思える部分がいくつかあります。
音色とかテクニック的な部分のお話ではなく、「私の性格的にやっぱりピアノで良かったんだ」と今思うポイントについて、語ってみたいと思います。
私のように恥ずかしがり屋さん、若干コミュ障の方には、参考になるかな
自分一人で演奏が完結
ピアノは、1台でオーケストラを再現できるとも言われる楽器。
幅広い音域を、たった一人の2本の手と10本の指でカバーすることができます。
そして、他の多くの楽器とピアノの大きな違いは、1人で演奏を完結させることができる点。
管楽器や弦楽器、歌には、伴奏が必要となります。(無伴奏の曲もありますが、伴奏が必要な曲が圧倒的に多い)
だから、本番では常に伴奏者と一緒に舞台に上がる必要があるし、練習段階でも合わせが必要。
でもピアノは、1人で伴奏とメロディーを弾くことができ、練習も黙々と一人ですることができます。
ピアノでも連弾や二台ピアノといったアンサンブル曲もあって、それはそれで楽しいですが、予定を合わせて練習するのは結構大変なこと。
私は伴奏が好きで、色々な楽器の方と共演させていただきますが、ピアノ以外の方は伴奏者探しや謝礼のお支払い、予定の調整など大変だなと見ていて感じます。
呼吸の合う伴奏者を探すことは大変だと思うし、人脈を広げてよい共演者に出会うためにコミュニケーションも大切。
正直、他の楽器の方が共演者のことで苦労する姿を見ているので、自分はピアノで良かったなぁと思ってしまう瞬間も多いんです。
常に横向きで視線を気にする必要なし!
私は昔から赤面症💦
打ち解けていない方との会話で目を合わせるのは、今でも苦手だったりします。
だから、客席を見なくていいピアノは私にピッタリ(笑)
真正面から見られる自信はないけれど、ドレスを着た横向きの姿は何割り増しかきれいに見える気がするし
「前を向いて演奏する楽器や歌の方々は、一体どこを見て演奏しているのだろう。緊張しないのだろうか?」と未だに思います。
お客様の気配を横・斜めから感じられるだけで充分。
そちらを見なくても、伝えたい思いを音楽にのせて届けられるピアノ以外に、私が演奏できるものはないのかもしれません
MCでお話ししないといけないコンサートは、お客様の方を向いてMCをしている時間の方が心拍数が上がっていることも・・・
こんな理由でピアノが良いって言っていてはいけないとは思うけれど、緊張しいな方はピアノから音楽を始めてみるのもいいのではないかと思います。
楽器を忘れる心配もなし!
他の楽器の方を見ていて思うのが「楽器のお手入れ大変そうだなぁ」ということ。
ピアノは自分ではいじれないので、調律師さんにお任せ。
自分の楽器を持ち運んで壊す心配も、本番に持っていき忘れる心配もありません。
管楽器や弦楽器はいつも慣れ親しんだ自分の楽器で演奏できるけれど、持ち運ぶのも大変だしメンテナンスも頻繁に必要。
演奏が終わったらすぐにきれいに掃除して・・・
身一つで会場へ行き、演奏が終わればドレスを雑にしまってそそくさと退散する私からしたら、皆さん几帳面で素晴らしい、私が楽器を所持したらすぐどこか悪くなりそう、そう思うのです。
ピアノ以外の方からすれば、私たちピアニストはいつも自分の楽器以外で本番を迎えるのだから大変、そう感じるそうです。
確かに、すごく弾きにくいピアノに当たって上手く弾けなくて落ち込むこともある。
けれど、自宅のピアノよりはるかにいい状態の素晴らしいピアノを演奏できる機会も多いし、色々な音色の楽器でその時にしかできない演奏を楽しめるのもピアノの醍醐味。
ピアノは毎回「一期一会」なんです。
小学生で実感したピアノを弾けて良かった瞬間
思い起こせば、すでに小学生の頃から「ピアノ弾けて助かった~」という瞬間がありました。
それは学芸会や行事での合唱のシーンでのこと。
自分の苦手なことが、ピアノのおかげで上手く回避できていたんです(笑)
歌やセリフが少なくて済む
小学校時代、ピアノが弾けると、劇中のピアノや歌の伴奏に割り当ててもらうことができました。
私は劇を見るのは好きでもやるのは本当に苦手で、極力セリフを言いたくなかった💦
だから、ピアノ係になれることは私にとってラッキーなことでした。
歌も、好きだけれど苦手。
音感はある程度あるから、自分が下手なことだけはよくわかっていました。
発声の問題なのかな・・・みんなで歌っていると自分の声が聞こえなくて、正しい音が出せているかが耳をふさがないとわからないので、演技をしながら歌えなかったんです。
小学校のはじめからピアノを弾ける機会があると立候補していた私は、ピアノを習っていることをある程度認識してもらえていました。
それで、ピアノを弾けて楽しいし、セリフが少なくて済むし、非常に助かっていたわけです(笑)
大人数を支えているというちょっとした優越感
そんな風にしてピアノが弾ける人と認識してもらえるようになり、合唱の伴奏をさせていただける機会を小学校の頃からいただけていました。
これが、私が伴奏を好きになった原点かもしれません。
大勢の歌を自分の伴奏が支えている感覚が気持ちよかったのです。
合唱曲は良い曲ばかりで、伴奏を弾いているだけでも爽快!
今でもお仕事として合唱団の伴奏をしていますが、楽器の伴奏とはまた違った楽しさがあります。
伴奏を弾いていると歌いたくなるんですよね。
でも歌ってみるとまぁ下手で、私は伴奏で合唱曲を存分に楽しむぞと改めて思うわけです
ピアノと私の性格の相性はやはりよかったと思うのでした
こんなこと並べて「ピアノで良かった」といってしまうのは、長い歴史のある偉大な楽器、ピアノさんに対して非常に失礼💦
でも、他の楽器だったら人前で演奏することを続けてこられなかったかもしれない、それが正直なところ。
ピアノ自体の美しさ、本当の魅力はもちろんあります!
それはまた別の機会にたっぷり語らせてください
ピアノに運命を感じたとか、そんな始め方ではなかったけれど、ピアノとの出会いは私には必要でした。
楽器との相性は、その楽器に適したテクニックを身につけられるかということだけでなく、性格や人間的な部分も大きいのではないかなと自分のことを振り返って感じています。
ピアノを全く習っていなかったら、今私は何をしていただろう・・・想像もつきません。
それほど自分と切り離せないものに出会えた人生、色々あったけれど、色々あるけれど、今に至るまでの全ての出来事に感謝だなぁと改めて思うのでした✨
ご清覧ありがとうございました♬
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